井上尚弥 秒殺!70秒KO勝ちでWBSS初戦突破 元WBAスーパー王者を撃破

 井上が勝つとは思っていたけど、百戦錬磨のパヤノに対してこの勝ちかたは、やっぱ度肝を抜かれた。

 井上尚弥の次戦・準決勝は来春海外開催か「ロドリゲスと戦いたい」

 井上の次戦・準決勝戦の有力候補、エマニュエル・ロドリゲス(プエルトリコ)は、アマ時代、2010年にバクーで開催された世界ユース選手権で銀メダル、また同年シンガポールで開催されたユースオリンピックでは金メダルを獲得した元アマエリート。玄人筋からの評判も良いテクニシャンです。
 ……でも、ロドリゲスでも勝てんぞ、きっと(井上が空回りさせられる、想像がまるでつかない)。
 


 本書『ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎』(一九二七年)は、しろうと探偵ロジャー・シェリンガム・シリーズの長篇三作め。
 あやまちを犯さない神のごとき名探偵、そんな名探偵の引き立て役にすぎないアホな警察官、そして名探偵による唯一無二の推理ひいては解決。同シリーズ一作め『レイトン・コートの謎』の序文にも示されていましたが、本書は、良くも悪くも、このような従来の探偵小説が内包する「不自然さ」にたいするバークリーの先鋭的な批評精神が、もっともシンプルでわかりやすい形で示された、探偵小説のパロディとしてのメルクマール的な作品です。
 とりわけ興味深いのが、前作『ウィッチフォード毒殺事件』(二六年)の序文でも示された、動機重視で心理学に重点を置いた探偵小説の追求という実験的姿勢が、本書の目玉といえる「しろうと探偵と警察官の推理対決」を経由して、作者の駒にすぎない無味乾燥としたキャラクターで織りなされる従来型の探偵小説批判、かてて加えて、そのアンチテーゼとしてほかならぬ作者が提唱した心理学を駆使した探偵法にたいする自己批判をも織りこんだ、じつにアイロニカルな結末を編みだすことで昇華されている点。これが本書の読みどころなんですが……

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<国語世論調査>「なし崩し」本来の意味回答2割

 ぼくが、本来の意味ではない使われかたをすることばで、かねてより気になっているのが「敷居が高い」と「役不足」です。
 本来、前者は「不義理・不面目なことなどがあって、その人の家に行きにくい。」(大辞林第三版より)を意味することばですが、「高級すぎたり、上品すぎたりして、はいりにくい」(デジタル大辞泉より)で使うひとが、多い。
 また後者は、「能力に対して、役目が軽すぎること。」(大辞林第三版より)を意味しますが、「能力に対して、役目が重すぎる」(デジタル大辞泉より)で使うひとが、多い。
 どちらの誤用も、著名な知識人といわれるひとでさえ、しばしばやらかしているのを目にしたり聴いたりする(ついでにいえば、島田荘司さんが「龍臥亭事件」(カッパ・ノベルスの初版)の上巻で「的を得る」と誤用していたのを目にしたときは、面食らいました)ほどですから、もはやこれらも「時代の流れ」で、誤用とはいえないんだろうか。まあ、「敷居が高い」はともかく、「役不足」はさすがに無理があるように思いますが。
 例によって、ようつべで実写版を視聴。

 犯人のありえない怪力ぶりについては、まあこのシリーズのお約束、とするにしても。
 
 第二の殺人の密室トリックは、心理的な盲点をついていて、着想がなかなかおもしろかったんですが、反面、かなり綱渡り的ともいえます。はたして、このような大仰なトリックを仕掛ける必然性があったんだろうか? 
 ただ、そういう意味ではむしろ、第三の殺人のトリックのほうが、より不自然といえますけど。なにも「法則」を乱してまで、あんなことをしなくても。

 はしなくも、都筑道夫さんの「黄色い部屋はいかに改装されたか?」の一文「(前略)そうやって殺せば自分が疑われずにすむから、というていどの必然性で、納得することはできません。突きつめていえば、どんなトリックも、不自然ということになるのでしょうが、そこを一応うなずかせる言葉の魔術が欲しいのです。」「どうせ絵空事のお話なんだから、トリックさえ奇抜ならいいんじゃないか、というのでは、逆行でしかありません。」などを、思いだしてしまいました。

 もっとも、このような「トリックのためのトリック」とて、一般向けであるこのシリーズのお約束、といってしまえばそれまででしょうけど。


 大人気<腕貫探偵>シリーズの番外編的な短篇集「必然という名の偶然」を読了。
 肝心の腕貫探偵が不在の櫃(ひつ)洗(あらい)市が舞台となっているのが、本書の大きな特徴(つまりは、前作「腕貫探偵、残業中」の巻末「人生、いろいろ。」路線)。冒頭の「エスケープ・ブライダル」と、末尾の「エスケープ・リユニオン」の二編には、現時点では同シリーズ唯一の長編「モラトリアム・シアター」にも登場した大富豪探偵・月夜見ひろゑが「探偵役」(カッコ付けなのは、イロモノ・キャラクターの傾向が強すぎるため)として登場しますが、それ以外の四編には名探偵と呼べる存在は出てきません。
 法月綸太郎さんが解説で詳しく言及されていますが、(典型的な安楽椅子)名探偵不在のかの地方都市が内包する、どこかバランスの崩れた、血なまぐさいクライム・ミステリ、というあたりが、本書のおもな読みどころといえそう。
 出色は、なんといっても表題作。これだけは、腕貫探偵が登場する安楽椅子探偵小説としてもじゅうぶん通用する、論理のアクロバットの傑作ともいえるんですが、どこか割り切れないオチのつけかたが、やはり本書が異色作であることを物語っているように思われます。
 たしかにチャレンジ精神が横溢した西澤さんらしい作品集で、できも悪くはないとは思いますが(ただ、なかでも巻末の「エスケープ・リユニオン」の尻すぼまりな結末には、引っかかるものがありますけど)、でも正直、個人的には、都筑道夫式のマンネリ型安楽椅子探偵に徹してもらいたかったんですけどねえ。


 元ドゥービー・ブラザーズのマイケル・マクドナルドのセカンド・アルバム(85年)を、ひさびさに聴く。
 これまた、さっき紹介したリチャード・マークスのアルバムと同様、夏から秋へと移ろいゆくこの時期にぴったりな、極上のAOR。ケニー・ロギンスと共作したハード・ドライヴィンな表題曲や末尾を飾る「ドント・レット・ミー・ダウン」、しっとりとソウルフルに聴かせる珠玉のバラード「アワ・ラヴ」、さらには、そういった対照的な曲の中庸をゆくような哀切をおびたAORナンバー(「バイ・ハート」「エニー・フーリッシュ・シング」など)といったあんばいで、アルバムとしてのトータル・バランスが前作「思慕(ワン・ウェイ・ハート)」よりもいいと思う。
 それに、ジョー・ウォルシュらのギター・リフでの盛りあげもさることながら、個人的にはそれ以上に、マクドナルドのキーボード・リフの使いかたが前作以上に効果的で、あの、いわくいいがたい独立不覊の官能的なタッチがぞんぶんに発揮されているところが、たまりません。




 アメリカのシンガーソングライター、リチャード・マークス(以下、リチャマ)のデビュー・アルバム(1987年)を、ひさびさに聴く。
 リチャマといえば、「ナウ・アンド・フォーエヴァー」に代表されるバラードの名手というイメージが強いんですが(ほかにも、バックストリート・ボーイズやイン・シンクといったアイドル・グループ等への楽曲(バラード)提供もしていましたし)、このデビュー作ではおおむね、ハードにアメリカン・ロックしています。それも、カラッとしたウエスト・コースト系の。イーグルスのメンバーが参加していたり、マイケル・ランドウ(ギター)が参加していたりと、豪華なサポート陣にも恵まれ、プロダクションも迫力があって申しぶんなし。
 そして極めつきが、リチャマのソングライティング、甘く切ないメロディー・センス、そして圧倒的な歌唱力です。
 ベタでも、やはり<本物>はいい、と思わせてくれます。80年代アメリカン・ロックの精華がここにあり。






 ピーター・アントニイってだれ? と最初おもったんですが、じつは、英国出身の劇作家として有名なピーターとアンソニーのシェーファー兄弟の合作ペンネームなんだそうで。ピーターのほうは、モーツァルトの死の謎をえがいた映画「アマデウス」(一九八四年)の原作者として、かたやアンソニーのほうは、舞台劇「探偵スルース」(七二年)の原作者として、ほかにもアガサ・クリスティ原作の映画「ナイル殺人事件」(七八年)の脚本家としても有名です。
 本書『衣裳戸棚の女』(五一年)は、そんなシェーファー兄弟が劇作家として名が売れるまえの五十年代に書いた、最初の長篇本格ミステリです。

 しろうと探偵として名を馳せるヴェリティは、ひょんなことから、町のホテルの二階の一室で、不可解きわまりない密室殺人の謎と邂逅する。ドアと窓が施錠された部屋のなかは、いたるところが血だらけで、しかも被害者の射殺体のほかに、なぜか衣裳戸棚に美人ウェイトレスが閉じこめられていた……

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 これまた、実写版をようつべで視聴。
 
 さすがに、これは無理がありすぎた。なにしろ、真犯人の犯行のあまりの豪胆っぷり(複数の意味で)に、開いた口がふさがらず……
 多少の瑕疵は、あまり気にならなくなりましたが、さすがにこれはご都合主義にすぎる(^^;
 しかし、なんだかんだいっても楽しんでいる自分がいるという、アンビヴァレンス。
 テレビドラマ版のほうを、ようつべで視聴。
 
 前回「オペラ座館」では酷評してしまいましたが、いい過ぎました。というのも「秘宝島」のほうは、多少の無理に目をつむれば、総体的な筋立てがよくできているほうだと思ったからです。じっさい、観ていて楽しかったです。暗号解読と見立て殺人との組み合わせが、利いています。
 ……もっとも、漫画ならいざ知らず、実写ではさすがに説得力に欠ける(手がかりが丁寧に織りこまれていたとはいえ)ところも……むにゃむにゃ。