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Kaoru(sophism spewage)

Author:Kaoru(sophism spewage)


Hobby:読書(主にミステリ小説、精神分析学等思想書の類)、音楽鑑賞、思索、抑圧。
Admonition:「“神はひとりであって、そのほかに神はない”」(エラリイ・クイーン『九尾の猫』(ハヤカワ文庫)より)

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石崎幸二『復讐者の棺』 
2008.08.20 Wed 04:26
復讐者の棺 (講談社ノベルス イN- 5)復讐者の棺 (講談社ノベルス イN- 5)
(2008/08/07)
石崎 幸二

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 前作『袋綴じ事件』から六年が経ち――ようやく、女子高生ミリア&ユリ、そしてしがないサラリーマン探偵石崎幸二が活躍するシリーズ最新作が来たか。待ちに待ちました。それにしても、シリーズ前作から現実には六年もの長い月日が過ぎていたというのに、あくまでも作中世界では『袋綴じ事件』から三週間ほどばかり経過しただけというから、愛読者サイドにしてみたらうれしいような悲しいような、何だか複雑な気分なんじゃ。まあそれもしかたないか。たとえばの話、小説世界もまた六年もの月日が経過していたとしたら、もう、「なんちゃって」女子高生ミリア&ユリ(つまり年齢不相応に女子高生のコスプレをしただけの)、「メタボ」探偵、中年サラリーマン石崎(作中石崎の大のビール好きをかんがみて)、とでも銘打たなければこのシリーズの醍醐味が成り立たなくなるでしょうし。……いやもちろん、それは冗談ですけど(^^;
 
 閑話休題。
 
 昨年刊行された『首鳴き鬼の島』といい、『袋綴じ事件』といい、とにかくメフィスト賞受賞のデビュー作『日曜日の沈黙』を除けば、すべての作品が孤島を舞台にした本格ミステリで統一されているというこだわりが特徴の石崎作品ですが、それは本書においても例外ではありません。それにしても孤島もの好きですね、石崎さん。実際作中でも、作中石崎に「(前略)孤島の連続殺人のためなら死んだっていいよな。絶海の孤島で次々と殺されていくゲストたち。いったい誰が犯人なのか? いいなあ孤島。行きたいなあ孤島。そして誰もいなくなりたいなあ」と語らせていて、だから、あながちこれって作中石崎の狂言とは言えないんじゃないか、じつは作者としての石崎さんご自身の本音だったりして……などと、つい邪推してしまいました。

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東野圭吾『ある閉ざされた雪の山荘で』 
2008.08.13 Wed 00:14
ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫)ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫)
(1996/01)
東野 圭吾

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 テレビ化された『白夜行』や『ガリレオ』、さらには直木賞受賞作『容疑者Xの献身』で、一躍人気ミステリ小説作家として広く名を知られることになった東野圭吾さんの『ある閉ざされた雪の山荘で』(一九九二年)を読了。
 テーマは、タイトルに如実にあらわされているとおり、いわゆる「吹雪の山荘」。劇団のメンバーたちが外部との連絡を絶たれた状況のなか、あのアガサ・クリスティの名作『そして誰もいなくなった』さながら、ひとり、またひとり……と姿が消えていく……という設定。これのみをとりあげて言うならば、王道中の王道、すでに古臭い思いは否めません。しかし、厳密に言えば、実際に主人公たちが「吹雪の山荘」に見舞われるわけではありません。実際には雪は降ってもいなければ積もってもおらず、まして電話も正常に使える環境――つまり、決して外部との連絡が閉ざされているわけではないのですが、しかしある事情から、「吹雪の山荘」に見舞われているという架空の緊急事態に置かれていることを想定したうえで主人公たちは山荘内にとどまらざるをえない……という設定になっているのです。そして、その趣向にこそ――あの「クセモノ」(>褒め言葉)東野さんのことですから――、謎解き推理小説としての仕掛けを成立させるための深謀遠慮が隠されているわけです。

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有栖川有栖『壁抜け男の謎』 
2008.08.06 Wed 23:04
壁抜け男の謎壁抜け男の謎
(2008/05/01)
有栖川 有栖

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『女王国の城』という超大作で本格ミステリ作家クラブ主催の第8回本格ミステリ大賞を手中に収めたのが記憶に新しい、日本を代表する本格ミステリ作家・有栖川有栖さんの『壁抜け男の謎』を読了。ノンシリーズものの短篇、掌編、計十六篇を収録した作品集。

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オススメ商品 
2008.07.20 Sun 21:55
 このFC2ブログには、自分が推薦する何らかの商品をピックアップできるツールがあります(おそらくFC2が運営するブログでなく、ほかの会社が運営するそれでもそのくらいの機能はあるのでしょうが)。なので、ぼくは、自分の大好きな本格ミステリーという、ジャンル内ジャンルのミステリー文学の作品において、とくに衝撃を受けたという作品をいくつかセレクトしてみました。
 もっとも、厳密を期して、そういった作品を選んでいると、たぶん枚挙にいとまがなく、したがって、そこで紹介した作品は氷山の一角に過ぎないのだということをことわっておきます。とはいえ、そこで紹介している作品たちが有する性質や特色にはおおむねある共通項が確認でき、その意味では、自分好みの本格ミステリーとはどんなものであるかというのがおわかりいただけるのではないかと期待しています。
 では、よろしければ、どうぞご覧ください(このブログの右側のほうに確認できるはずです)(いや、ぼくはブログのテンプレートをとかく変更する性癖があるため、そのときどきに自分が選択したテンプレートによってはかならずしも右側とはいえないかもしれませんが)。
東野圭吾『仮面山荘殺人事件』読了 
2008.07.16 Wed 11:21
仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)
(1995/03)
東野 圭吾

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 一九九八年発表の『秘密』でブレイクして以降、二〇〇六年上梓の『容疑者Xの献身』や同年にテレビ化された『白夜行』、それから翌年にテレビ化された『ガリレオ』(原作『探偵ガリレオ』と『予知夢』)で小説家としての人気を不動のものにした東野圭吾さんの『仮面山荘殺人事件』(一九九〇年)を読み終えました(初出は徳間書店のトクマ・ノベルスより)。帯の「あの名作『容疑者Xの献身』と並ぶ本格ミステリーの傑作 スカッとだまされてみませんか」という謳い文句に惹かれ、衝動買いしたのですが――なるほど。その大仰ととられかねない文句に、けれどなんら恥じることのない複雑に入り組んだ欺瞞的趣向が極まった、恐いくらいに計算しつくされた本格物の技巧小説に仕上がっている。

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鮎川哲也『消えた奇術師』読了 
2008.07.07 Mon 00:32
消えた奇術師  星影龍三シリーズ (光文社文庫 あ 2-46 鮎川哲也コレクション 星影龍三シリーズ)消えた奇術師 星影龍三シリーズ (光文社文庫 あ 2-46 鮎川哲也コレクション 星影龍三シリーズ)
(2007/04/12)
鮎川 哲也

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 日本の本格推理小説界が生んだ言わずと知れた巨匠・鮎川哲也。本書には、鮎川さんが生んだ二人の名探偵のうちの一人(言うまでもなくもう一人は鬼貫警部)、超人探偵・星影龍三の活躍譚をえがいた短篇が表題作もふくめ六篇収録。なかには、鮎川短篇最高傑作と名高い「赤い密室」をはじめ「白い密室」「青い密室」と、色をモティーフにした三つの密室物三部作もふくまれています。

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ヘイク・タルボット『絞首人の手伝い』読了 
2008.07.03 Thu 23:56
絞首人の手伝い (ハヤカワ・ミステリ 1812)絞首人の手伝い (ハヤカワ・ミステリ 1812)
(2008/05/08)
ヘイク・タルボット

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 本書の巻末に付されている森英俊さんの解説によると、著者は、英国の密室研究家ロバート・エイディーが自身の不可能犯罪研究書のなかで「ジョン・ディクスン・カーに匹敵する唯一の密室長篇をものした作家」と絶賛したことで知られており、さらにまた、エドワード・D・ホックがアンソロジー『密室大集合』(一九八一年)を編成する際におこなったアンケートにて、タルボットの作品『魔の淵』(一九四四年)が、カーの『三つの棺』についで不可能犯罪物のベスト長篇の第二位に輝いたことで、コアな本格推理小説ファンのあいだでその名がいっきに広まることになったという、いわばシンデレラ・ボーイ的なミステリ作家(?)。本書『絞首人の手伝い』(一九四二年)は、そんな彼のデビュー作にあたりますが、実を言えば、長篇としては本書と先に触れた『魔の淵』を上梓しただけであり、しかもミステリの創作は本人にとってはあくまでも余技だったらしいというから驚き。何しろそれで、密室研究家をして偉大なるカーに唯一匹敵する密室長篇をものした作家と言わしめたり、『三つの棺』につぐ傑作といわれる作品をものしたんですからね。

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クリフォード・ナイト『ミステリ講座の殺人』読了 
2008.06.20 Fri 06:05
ミステリ講座の殺人 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)ミステリ講座の殺人 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)
(2007/11/22)
クリフォード・ナイト

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 著者のクリフォード・ナイトは、かの本格派の巨匠エラリー・クイーンやジョン・ディクスン・カーらとともに、アメリカの黄金時代(一九三〇年代)に活躍した名バイプレーヤーとして評価されている知る人ぞ知るアメリカの作家。待望の初邦訳。巻末に、まさに黄金時代ならではといった感がする趣向として、事件の全貌や犯人の解明に結びつく手がかりが奈辺(何ページ)にあったのかを示す「手がかり索引」が併録。

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鮎川哲也『憎悪の化石』「再」読了 
2008.06.17 Tue 16:00
憎悪の化石 (創元推理文庫)憎悪の化石 (創元推理文庫)
(2002/03)
鮎川 哲也

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 戦後の本格推理小説シーンに多大なる影響をあたえた驍将・鮎川哲也。鮎川作品は主に、いわゆる地道なアリバイ崩しに重点を置いた警視庁の鬼貫警部シリーズと、物語終盤になってはじめて登場したが最後、神がかり的な推理によって快刀乱麻を断つ超人探偵・星影龍三シリーズに分けられるのですが、本書「憎悪の化石」(一九五九年)は前者の系譜に属します。第十三回日本探偵作家クラブ賞受賞作。

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東川篤哉『もう誘拐なんてしない』読了 
2008.06.09 Mon 15:13
もう誘拐なんてしないもう誘拐なんてしない
(2008/01)
東川 篤哉

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 いまや「ユーモア本格ミステリ」の代表格といった感がする東川篤哉さんの目下最新作。著者の作品は主として、架空都市烏賊川市を舞台としたシリーズと、私立鯉ヶ窪学園を舞台におバカでお気楽な探偵部員三人組の探偵譚をえがいたシリーズに分けられるのですが、本書『もう誘拐なんてしない』はノン・シリーズ作品。……すくなくとも、現時点では(いや、もしかしたらこれからシリーズ化されるかもしれないわけで)。

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乾くるみ『クラリネット症候群』読了 
2008.05.27 Tue 12:37



 本格ミステリならぬ「変格」ミステリの名手といえば、何といってもこの人、乾くるみ(といっても女性ではなく、男性の作家さん)。本書『クラリネット症候群』(徳間文庫)には、書き下ろしの中篇規模の表題作にくわえ、二〇〇一年に徳間文庫にて既刊の中篇SFミステリ「マリオネット症候群」(こちらはその初出本にて既読ずみ)が併録。
 そもそもが寡作小説作家として知られる乾さんですが(何しろ、本書をべつにすればデビュー以来の十年間で著作が七冊です)、それにしたって二〇〇四年に伏線芸をきわめ尽くした衝撃の歴史的傑作『イニシエーション・ラブ』『リピート』を立て続けに刊行して以来、およそ三年にわたって新作の上梓がない。愛読者にしてみればこれほどの拷問はございませんが、中篇とはいえ、ついに新作が来たか。


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道尾秀介『ラットマン』読了 
2008.05.23 Fri 13:50
ラットマンラットマン
(2008/01/22)
道尾 秀介

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 二〇〇六年『向日葵の咲かない夏』で第六回本格ミステリ大賞候補に選出され、翌年には『シャドウ』でみごと第七回本格ミステリ大賞を受賞。その後も『ソロモンの犬』『片眼の猿』とコンスタントに良作を上梓し続け、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いといった感がする道尾秀介さんの目下最新作『ラットマン』を読了。なお、初出は「ジャーロ」二〇〇七年夏号、秋号。

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追記 
2008.05.21 Wed 12:27
 下の記事、もしすべて(もしくは大半を)読んでくださった希有なかたがいたのなら……長くなってしまってどうもすみません(汗)。どうもぼくは、本の読了記事は「あらすじ」をできるかぎり丁寧に書かないと気がすまない性分みたいで。そして、十篇もの短篇が収められた作品のあらすじを書くとなると、ね、あのとおりになっちゃうわけで(苦笑)。
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