Author:Kaoru(sophism spewage)

Hobby:読書(主にミステリ小説、精神分析学等思想書の類)、音楽鑑賞、思索、抑圧。
Admonition:「“神はひとりであって、そのほかに神はない”」(エラリイ・クイーン『九尾の猫』(ハヤカワ文庫)より)
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お姉系文体(?)
2008.06.29 Sun 20:42
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何となくネッサーフィンをし、いくつかのブログ、なかんずく若い女性が書いているものとおぼしきブログを拝見した際に、やけに気になったことなんですが。
そういったブログの文章の特徴として概して共通するのが、 1、いわゆる絵文字、顔文字を多用する。 2、助詞や接続詞などを通常のひらがなでなく、あえてカタカナで書く(たとえば「私ワ」だとか、「……と思ってたんだケド」といった感じで)。 3、何らかの隠語や造語を多用する。 4、「(笑)」「(爆笑)」「(泣)」などを多用する。 5、語尾に「www」をつけ、自分の愉快な気持ちをめったやたらと相手に伝えたがる。 とまあ、こんな感じでしょうか。もっとも、1、3、4、5に関しては性差は関係ないように思われますけど。 とにかくこれらを総合して、なぜなんだろう……と思考すると、失礼ながら、存外人間心理の興味深い事実が浮き彫りになったりして、けっこうおもしろいです(?)。 つづきを読む |
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Decrepit Birth『Diminishing Between Worlds』
2008.06.29 Sun 18:03
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アメリカはカリフォルニア州出身のデスメタル界の大物Decrepit Birth(ディクレピット・バース)、ついにセカンド・アルバムをリリース。 デビューアルバムもすばらしかったけれど、このアルバムも出色のできばえ。いやこのアルバムのほうがさらにできはよいと、ぼくは思う。 前作が、どちらかと言えばDisgorge(US)やDeeds Of Fleshに代表される伝統的と言うべきストイックなカリフォルニア・デスメタル・スタイルにそのスタンスを根ざしていたのに対し、本作では基本的にはそのスタイルをふまえつつも、随所にいわゆるところの「メロデス」のエッセンスを効果的に導入し、デスメタルのオリジナリティの幅を広げようとする先鋭的な意識を保ちながら数学的に緻密に各曲が構築されている。そしてそれを――超絶技巧をもつ彼らのこと――きわめて高度なレヴェルにおいてみごとモノしている。前作でドラムを担当していた名手Tim Yeungの脱退もなんのその、新たに加入したKc HowardがYeungに優るとも劣らないテクニックを全篇にわたって披露。おなじみギタリストのMatt Soteloもあいかわらずの超人的なテクニックを披露し、複数パートによるユニゾンやソロ・パートなどで各曲それぞれに強烈なアイデンティティを刻みつける。それから、これまたおなじみヴォーカルのBill Robinsonにいたっては前作同様ストイックな曲調にしっくりくる咆哮型のロウなデス・ヴォイスで漆黒の世界に効果的なケイオスの息吹をあたえる。 全篇、いままでのデスメタルにありそうでなかった前衛性に富むつくりで、そのうえ技術的にもまったく隙がない。彼らはまたもやデスメタルの金字塔を打ち立てることに成功したのでは。お薦め。 | ||
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ヴァンキッシュ
2008.06.28 Sat 03:39
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Vanquishのフレームバックルベルト、再入荷。
待ってたよ、愛しいキミ。黒と白のカラーの物のうち、黒色のを購入。 |
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法医学書
2008.06.28 Sat 03:29
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『インディ・ジョーンズ クリスタルスカルの王国』
2008.06.26 Thu 04:23
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ハリソン・フォード主演のシリーズ映画「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」が目下のところ興行成績が順風満帆なもよう。
「インディ・ジョーンズ」かあ、なつかしいなー。幼いころ、ええと、あれは小学生のころだったと思うんですが、ポーランドの祖父といっしょになってシリーズ第二作『魔宮の伝説』を食い入るように観ていたっけ。インディたちの綱渡り的なアクション・シーンを観るにつけ、祖父とともに快哉を叫んでおもしろがっていたっけ。その映画のヒロインを演じたブロンド美女ケイト・キャップショーに幼いながらもそのセクシーダイナマイツぶりに対して胸をときめかせていたっけ。インディの相棒の少年を演じたキー・ホイ・クァンの、いわゆるところの幼児に特有の、肉体的にも精神的にも未成熟であるがゆえのおっちょこちょいぶりに親近感をいだき、自己を投影しつつ、微笑ましい面持ちで彼の一挙一動を見守っていたっけ。ああ、ノスタルジア。 新作も、観てみよう。 |
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お褒めのコメント(?)
2008.06.26 Thu 03:45
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何とはなしにネットサーフィンをしていたところ、何やら、自分が以前このブログにて俎上(そじょう)に載せた、ニュージャージー出身のディリンジャー・エスケイプ・プランというバンドの目下新譜のレビューを褒めてくださっているブログに遭遇。
たしかにあの新譜は、ぼくも傑作中の傑作だと捉えており、だからけっこうディテールにこだわって記事をしたためたつもりでしたが……ええと、これはすなおに褒めてくださっていると受けとっていいのかな。 ともあれ、反応してくださってありがとうございます。 |
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ヴァンキッシュ
2008.06.22 Sun 18:09
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よくお世話になっているヴァンキッシュというブランドの、新作、グラデーションラインタンクトップ(ブラック)に一目惚れし、即購入。ついでにダブルテーラードベスト(ブラック)も購入。
前者はやはり夏の定番ということで欠かせません。それから後者は、この時期はむしろTシャツの上に羽織る感じで着るのもよいな、と思ったため。 |
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オランダvsロシア
2008.06.22 Sun 06:56
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先刻、サッカーEURO2008、欧州選手権決勝トーナメントのオランダvsロシアを視聴。
白熱した試合でたいへんおもしろかったです。当初は地力でオランダ優勢かと思われましたが、ふたを開けてみれば案に相違し1−3でロシアが勝利。オランダの不調というのもあったのかもしれないけれど、ともかく名将フース・ヒディング監督率いるロシア、強いなあ。 何だかロシア代表は、モストヴォイやアレニチェフ、カルピンらが活躍していた時代よりも、全体的にタレントが――それも若手のタレントが――豊富になった感じがします。ジルコフ、ジリアノフ、ビリャレトディノフ、シチェフ、パヴリュチェンコ、そして何といっても、エースのアルシャヴィン。とくにこのアルシャヴィンの存在は、凄まじいものがありますね。この人、一度ボールをもったら、とられないとられない。それどころかテクニカルなドリブルで単身抜きまくってきちんとフィニッシュまで貫徹する。“ロシアのマラドーナ”と謳われるのもよくわかります。 |
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Gridlink『Amber Gray』
2008.06.21 Sat 19:56
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ついに出た! 九〇年代のグラインド・コア・シーンの代表格だった元Discordance Axis(以下DA)のヴォーカリスト、現在は「速いの大好き」(以前このブログでも紹介したばかりですが)というバンドを牽引する〈ジャパオタ〉ジョン・チャン率いるもう一つのニュー・バンド、Gridlink(グリッドリンク)のデビュー・アルバム。アルバムといっても、全十一曲約十二分というシャープな構成なので、もしかしたらミニ・アルバムといったほうが適切かもしれませんけど、それはともかく。 基本的な音楽性は、DA時代のそれを踏襲したもの。つまりは激速サウンドに、終始狂ったように叫びまくるチャン特有の金切り絶叫が絡みあう純度100%の超絶グラインド・コア。ただし、DAでのギター・リフ・ワークがメタルっ気ゼロだったのに対し、こちらでは「速いの大好き」でもおなじみ、くわえて日本のモータライズドというバンドにも在籍するマツバラの影響か、あのSlayerを彷彿とさせる整合感あるメタリックなギター・リフ・ワークが大きな特徴となっています。 また、「速いの大好き」におけるある種のファニーなギミックは皆無であり、曲間ほとんどなしに、ドラムのブラスト・ビートが、ギターのメタリックなリフ・ワークが、そしてチャンのシャウトが渾然一体となり、ひたすら猪突猛進。ズダダダダダダッ、ギュインギュインギュイン、ギャーギャーギャーッ。各曲ほぼ1分というきわめて短い長さながら、マツバラのギター・リフ・ワークの超絶技巧が各曲に強烈な個性を刻みつけている。そのため、満腹感はミニ・アルバムというよりフル・アルバムのそれ。ここに本物のグラインド・コア極まれり。よってグラインド・コア・ファンは問答無用でマストバイ。ヤバイです(エグザイルのリーダー風に)。 | ||
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人の癖
2008.06.20 Fri 07:04
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昨夜、「ダウンタウンDX」(日本テレビ系列)というバラエティ番組を何とはなしに視聴していて、ふと思ったこと。
その番組のコーナーに、「打ち合わせでこんなの撮れちゃいました」というものがあります。これは、番組のゲストのかたがたが、番組のスタッフとおぼしきかたと打ち合わせをしているとき(たぶん)のVTRで確認された、ゲストたちの自覚していないうちに生じる何らかの癖――口癖であったり、動作であったり、表情であったりと、さまざま――を俎上(そじょう)に載せて笑いを喚起させる、という企画。 それを観、なるほどおもしろいものだなと思いながら、ふと自己をふり返ってみると――そういえば、ぼくにもあるある、そういう癖がと。自己分析するかぎりで言えば、ぼくの場合、話をふられ、何らかの回答を求められたおりに、ともすればいっぽうの手の親指をあごに乗せ、さらに人差し指をちょうど鼻に隣接する部分へともっていく、という癖があります。その状態で思考し、そして何らかの応答をする、というわけですね。 そういった自分の癖に、前々からふとしたおりに気づくわけですが、つまりそういう意味では自分の癖に自覚があるわけですが、でも、その癖が発露する際はまずもって無自覚のうちにやっていると思います。 おもしろいものですね。 |
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クリフォード・ナイト『ミステリ講座の殺人』読了
2008.06.20 Fri 06:05
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著者のクリフォード・ナイトは、かの本格派の巨匠エラリー・クイーンやジョン・ディクスン・カーらとともに、アメリカの黄金時代(一九三〇年代)に活躍した名バイプレーヤーとして評価されている知る人ぞ知るアメリカの作家。待望の初邦訳。巻末に、まさに黄金時代ならではといった感がする趣向として、事件の全貌や犯人の解明に結びつく手がかりが奈辺(何ページ)にあったのかを示す「手がかり索引」が併録。 つづきを読む | ||
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UFO襲撃(?)
2008.06.19 Thu 00:57
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「ルーマニアの国防省が、戦闘機がUFO4機から攻撃を受けたことを確認したと発表した。」とのこと。
何にせよ搭乗していたパイロットが無事で何よりですが、それにしても、記事にもあるように、これがほんとうに「宇宙からの使者」の仕業なのだとしたら、非常におもしろい。いや、とどのつまり他人事だからこんなことが言えるわけなんですけど。もし自宅がその標的になっていたのだとしたら……と考えると、当然ながらそんなことは言っていられませんから。 とはいえ……不謹慎であることを承知のうえで言いますが、何だかこういうニュースにはちょっと興奮させられるおのれを自覚します。と同時に、不意に一時期熱心に観ていたクリス・カーター原作の「X-ファイル」が恋しくなるわけです。ああ、モルダー、そしてスカリー。 |
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冷房
2008.06.18 Wed 23:49
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ついさっきバイトから帰ってきました(現在の時刻はおよそ〇時十分前)。
で、自分の部屋があまりにも暑いものだから、今年初の冷房をつけることに。 ああ、、極楽極楽。ついでに「プレミアム」のビールをごくごく。 至福のひと時です。 |
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David Foster『David Foster』
2008.06.18 Wed 06:28
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カナダが生んだ世界的な作曲家であり、サウンド・プロデューサーであり、そしてまたキーボーディストでもあるデイヴィッド・フォスターのセルフ・タイトルのアルバムを聴く。このアルバムは、彼が担当した数々の映画のサウンド・トラックをまとめた編集盤なんですが、これが実にすばらしい。どうすばらしいのかといえば、サントラ物にとかくありがちな、単調なだけのイージー・リスニング・ミュージック(イージー・リスニングという音楽ジャンルそのものが単調と言いたいわけではありませんので、あしからず)のようなものに落ちぶれておらず、楽曲一つ一つに、フォスターのプロデューサーとしての、そしてアレンジャーとしての、さらにまたメロディメイカーとしてのあくなきこだわりがひしひしと感じられるのです。早い話が、元となる映画のほうを知らずとも、アルバムそれ単体のみでも聴き手の鑑賞にじゅうにぶんに堪えうる、非常に美しい極上の曲が詰まったエレガントなアルバムなんです。 特筆すべきは何といっても、各楽曲それぞれからかもし出される、フォスターの審美的な欲求に裏づけられた気品あふれるロマンティシズムとリリシズムのヴァイブレイション。それでいながら、世間の荒い波にもまれた理知的な人物が強く生きるために内に宿す孤高のダイナミズムにも富む。ともかく彼の音楽は、決して安易なナルチシズムに終始する底の浅さのようなものを感じさせません。世界のフォスターたるゆえんです。 ついでに触れておくと、各楽曲に参加しているゲスト・ミュージシャンも豪華絢爛(ごうかけんらん)です。オリヴィア・ニュートン・ジョン(ヴォーカル)、Mr.ミスターのリチャード・ペイジ(ヴォーカル)、リー・リトナー(ギター)にデイヴィッド・ボラフ(サックス)……などなど。かれら名手の演奏する各パートをそれとして意識的に謹聴する――というのもオツな楽しみかたかも。 | ||
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鮎川哲也『憎悪の化石』「再」読了
2008.06.17 Tue 16:00
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戦後の本格推理小説シーンに多大なる影響をあたえた驍将・鮎川哲也。鮎川作品は主に、いわゆる地道なアリバイ崩しに重点を置いた警視庁の鬼貫警部シリーズと、物語終盤になってはじめて登場したが最後、神がかり的な推理によって快刀乱麻を断つ超人探偵・星影龍三シリーズに分けられるのですが、本書「憎悪の化石」(一九五九年)は前者の系譜に属します。第十三回日本探偵作家クラブ賞受賞作。 つづきを読む | ||
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姉の誕生日
2008.06.14 Sat 01:29
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きのうは、いちばん下にあたる姉(三人姉がいるんです)の誕生日でした。
で、このかたには日ごろ、いろんな意味で迷惑をかけたりして、とてもお世話になっているので、そのお礼にと奮発、ジル・スチュアートというブランドのワンピースをプレゼントしたところ、狂喜乱舞してくれました。めでたしめでたし。 しかし……何というのか、女が喜ぶ際に発する、あの独特のキャーキャー声、というか金切り声、あれをとつぜんに発せられるのは、たいへんびっくりするのであります。心臓に悪いのであります。 |
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探偵ナイトスクープ
2008.06.14 Sat 00:46
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ついさっき朝日放送の「探偵ナイトスクープ」を視聴しました。
ああ……今回も実におもしろかった。とりわけ最初の依頼の話が、内容はもちろんのこと、その演出、構成のほうにもユーモアあふれるくふうが巧みに凝らされており、グッドです。 |
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自己=懐疑
2008.06.11 Wed 03:58
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「群盲象を評す」というたとえがあります。これはとりもなおさず、「凡人には大人物や大事業(など)の一部分しかつかめず、大局からの見かたはできない」というようなことを意味するのですが、残念なことに、このたとえに合致する事象は、ぼくらが住む日常社会のありとあらゆるところにはびこっています。そしてそれが悪い方向にはたらいた場合、さまざまな軋轢(あつれき)が、ときには私的レヴェルにおいてときには公的レヴェルにおいて、程度の差異はあるにせよ生じてしまい、最悪の場合は生命の危機にかかわるレヴェルの問題にさえ発展しかねません。
それら事象の原因は複雑にさまざまあるのでしょうが、しかしそもそもに起因するのは、けだし、各々の時代性に反映された社会や文化が提唱する一定の規範からは逸脱した、ないしは超越せんとする人間一個の基盤たるナルチシズムかと思われます。平たく言うなら、プライド。 もちろんそれじたいは、人間が人間であるがゆえの社会的文化的存在性を公的に示す原動力であり、またそこから派生する衝動や欲望が、人々を一所懸命の努力へと駆り立て、試行錯誤を重ねながらも、その結果として他者に是認されることで生にまつわるさまざまな悦楽を得る。そしてそれらをかてに、それぞれがそれぞれなりに日々を有用に昇華し、消化していく。 しかしながら、そのナルチシズムに由来する欲望や衝動が、社会や文化の提唱する一定の規範から多かれ少なかれ逸脱していることを当人が何らかのかたちにおいて体験した場合、その当人はややもすると挫折しては嘆き、悲しむ。ときとして激昂もする。けれど、ここまでならまだいいのです。もとい、ここまでなら人間ならば誰しもがふつうにたどる内面の過程でしょう。しかし、そこでいったん立ち止まり、冷静になり思考し、そうしてみずからのあるいは他者の過ちや、いたらなさをありのままに受け止め、認めることで、人はさらに努力する。自他含む個人という稚拙さを認めること――。それこそが、人をさらに上位へと成長させる原動力となるはずです。 ところがその挫折が嵩じた場合、当人はこういう閉塞的と言うべき一方的な思考の過程をたどることになりがちです。世の中、まちがっている。自分は他者に、この世界に、不当に扱われている。自分のほんとうの価値をてんでわかっちゃいない。そんなはずがないのにもかかわらず。だからそれをわからせてやる――。そうして目先の快楽に埋没し、さらなる挫折を繰り返す。最悪の場合は、かの秋葉原通り魔事件の容疑者のように、おのずから人生を破滅させてしまう。 これでは話になりません。いわば、自己と他者との境界線をてんで認識していないからです。言い換えれば、評価や印象などといった観念は、人それぞれによって、その視点の置きかたによって捉えかたが大なり小なり異なるものであるというしごく当然な世の摂理を全然理解していないからです。 そんなかれらは、全能たる自己に懐疑をむけるべきです。全能たる自己が内実幻想にすぎないのだということを認識すべきです。 |
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秋葉原通り魔事件について
2008.06.10 Tue 23:35
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ほんとうに痛ましい事件です。犠牲者のかたがたには、心よりお見舞い申しあげます。
ただ、誤解を恐れずに言うならば、この記事における石原慎太郎知事のご指摘は、無責任に聞こえるようだけれど、その実、けっこう的を射ていると思います。人情として納得できるか否かはべつとして。 |
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東川篤哉『もう誘拐なんてしない』読了
2008.06.09 Mon 15:13
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いまや「ユーモア本格ミステリ」の代表格といった感がする東川篤哉さんの目下最新作。著者の作品は主として、架空都市烏賊川市を舞台としたシリーズと、私立鯉ヶ窪学園を舞台におバカでお気楽な探偵部員三人組の探偵譚をえがいたシリーズに分けられるのですが、本書『もう誘拐なんてしない』はノン・シリーズ作品。……すくなくとも、現時点では(いや、もしかしたらこれからシリーズ化されるかもしれないわけで)。 つづきを読む | ||