Author:Kaoru(sophism spewage)

Hobby:読書(主にミステリ小説、精神分析学等思想書の類)、音楽鑑賞、思索、抑圧。
Admonition:「“神はひとりであって、そのほかに神はない”」(エラリイ・クイーン『九尾の猫』(ハヤカワ文庫)より)
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Human League『Greatest Hits』
2008.07.31 Thu 06:38
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八十年代、いわゆるニューウェイヴ・ミュージックが隆盛した一時代が産み落としたイギリスの最重要テクノ・ポップ(あるいはシンセ・ポップ)グループ、ヒューマン・リーグのベスト盤を聴く。 ひとことで感想を言えば、都会的に洗練されたシンセサイザーとシーケンサーを要領よく扱った、きわめてシンプルでありながらもキャッチーなテクノ・ポップが立錐(りっすい)の余地もなく詰まっているといった趣き。たとえるなら、現在日本のミュージック・シーンを席巻している女性三人組のテクノ・ポップ・ユニットPerfume(パフューム)のアダルト・ヴァージョンといった感じがします。その音質は、さすがにいま聴くと古臭い感じもするが、見かたによっては、だからこそレトロなマニアの感興をよい意味で刺激する側面も認められるでしょう。どちらかと言えばぼくは、後者のむき。 とりわけ――こういう言いかたはフロントマンでありながら作曲家でもあるフィル・オーキーには申しわけないかもしれないけれど――、やはりと言うべきか、あのジャム&ルイスプロデュースの名曲中の名曲『ヒューマン』が大のお気に入り。この曲は、その独特の寂しげな哀愁あふれるメロディーといい、恋愛の無常観を達観したかのようなヴォーカルの孤高の語り口(ときおり導入されるトーキング・ヴォーカルもふくむ)といい、どことなくアンニュイさをおびたロマンティシズムあふれるシンセサイザーの音色といい、どれをとっても突出していて実にすばらしい。また、歌詞もたまらなくいい。たとえば、リフレインのそれ。 I'm only human ぼくだって人の子だ Of flesh and blood I'm made この体は血と肉でできている Human 人間というのは Born to make mistakes ときとして過ちを犯すものさ ……これには心底しびれました。と同時に、どれだけ救われる思いがしたことか。 こんな言いかたは適切ではないかもしれないながら、この「ヒューマン」一曲のためにだけ約二千円(このアルバムのだいたいの値段)出してもよいくらいです。(試しに、たとえばYoutubeでこの曲のPVを視聴してごらんなさい) | ||
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日本語の慣用句や言葉の使いかたの誤用
2008.07.27 Sun 12:49
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「日本語の慣用句や言葉の使いかたについて、文化庁が世論調査した結果、70%以上の人が「 檄 ( げき ) を飛ばす」や「 憮然 ( ぶぜん ) 」の本来の意味を取り違えていたことがわかった。」とのこと。
まあ、誤解しやすい側面があるのはよくわかりますけどね。何しろ和語だとか漢語そのものに多種多様な意味や解釈ができるものは無数に存在し、さらにまた、それらを使った慣用句にしてもいわんやをや。 たとえば、「ぞっとしない」という慣用句があります。これは本来の意味は「感心しない」または「うれしくない」ですが、しかるに、以前ニュースで報道されていたのですが、それを「恐くない」「寒くない」と解釈していた人もすくなくなかったそうです。これはおそらく、「ぞっと」という副詞が「寒さや恐ろしさのために、全身の毛が逆立つように感じるさま」(三省堂「大辞林 第二版」より)という意味をもつ事実からくる発想でしょう。実際、寒さや恐ろしさをあらわすための「ぞっとした」という表現は一般に正しく流布していますから、その対句の表現として、寒くない、恐くないという感情をあらわすべく「ぞっとしない」と表現したがる人の気持ちもある種の人情として理解できなくもありません。 とはいえ、「ぞっと」は、上記で述べた意味のほかにも、「強い感動が身体のなかを通り抜けるさまを表す語」(三省堂「大辞林 第二版」より)としても解釈できる副詞。これを看過してしまうから、そのような誤用もまた流布してしまうことになるのでしょう。 ついでに言えば、これまた以前ニュースで知ったことなんですが、「やおら」という、正しくは「ゆっくりと動作をはじめるさま」を意味する副詞を、どうしたわけか「急いで動作をはじめるさま」と間逆に解釈していた人もけっこういたそうです。しかしこれは、上記の「ぞっと」のケースとはちがい、誤解しやすい慣用句に対応する言葉ではないですから、単純に勉強不足というか、同情の余地もないですね。 |
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ヴァンキッシュ
2008.07.26 Sat 07:33
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あたりまえのことながら、このところ夏真っ盛りというわけで、ずいぶん暑くなりましたね。Tシャツ一枚でよいくらい。いやむしろそれでも蒸し暑い。だから家にいるときはたいていトランクス一丁でいます(冗談でなく)。そして、できることなら外出時もトランクス一丁で闊歩したいところなのだけれど、当然ながら実際にはそういうわけにもいかない。
そこで、はて格好よいTシャツはないものかと、いつもお世話になっているVanquishというブランドの直営店(名古屋の)へとおもむく。 そして、見つけました。艶(なま)めかしい表情を浮かべる美女の立体的なモノクロフォトプリントが――エレガントであると同時にどことなく憂いをおびた知的なアンニュイさをかもし出しているその独特のプリントが、えもいわれぬほどの艶やかな美しさを引き立てているJUSTICEフォトクルーネックTシャツ。ブラック・カラーとホワイト・カラーの同Tシャツをそれぞれ一枚ずつ購入。 いい買いものをしました。お勧めです。 |
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蚊
2008.07.24 Thu 12:28
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夏といえば、海水浴に、キンキンに冷えたビール、それから花火ッ! ……と言いきることができる人は、思うに幸せ者である証拠でしょう。
さてぼくの場合はというと、「キンキンに冷えたビール」に関しては、なるほどわが意を得たりなんですが、そのほかがマズイ。なにせ夏と聞いてほかに連想することはというと、イニシャルがGの害虫、それから蚊にブト、なんですから。 とりわけ、蚊というヤツにはめちゃくちゃ往生させられているのです。どうもぼくは血を吸われやすい性質らしく、気づいたときにはすでに遅し、ことに腕や足に赤い腫れ痕が散在しているのを頻繁に見かけます。ときには指の関節のあたりだとか、顔の一部分を刺されたりすることもあり、これまた迷惑千万です。とくに後者に関しては言わずもがな、問題はかゆさばかりか、見ばえ的にも大いに問題があり他人に見せられたものじゃありません。 それにしても、なぜぼくはこうも蚊に好まれるのだろうか。一説によると、刺されやすい血液型と、そうでない血液型というのがあるらしく、O型は刺されやすく、A型は刺されにくいという報告があるのだそうです。その点、ぼくはO型。なるほど、だからなのか――と確信しそうになったんですが、さにあらず。 根が疑い深い人間なので、念のためにと蚊にまつわるウィキペディアを調べてみてわかったことなんですが、それによると、血液型によって刺されやすい、刺されにくいを分類するのは、血液型によって人の性格を分類するのと同様、科学的根拠に乏しいのだそうです(詳しくはウィキペディアのほうをご覧ください)。 で、その血液型分類説が事実でない、と仮定したうえでさらに思弁を進めますが――これまたウィキペディアによる情報なんですが、蚊は体温、におい、周囲との二酸化炭素の密度のちがいなどで血を吸う相手を探しているのだそうです。それだけに、体温が高くて、呼吸回数が多い、つまりは新陳代謝の激しい人はとくに刺されやすいのだそうな。だとすれば、う〜ん、ぼくって新陳代謝が激しい性質の人間なのかな? そのほかにもいろいろと書いてありますね――新陳代謝量が増える運動をしたあとは刺されやすくなるだとか――自己分析するかぎり、とりたてて運動しているわけでもないからこれはちがうんじゃないかな?――、黒い服は熱を吸収しやすいから黒い服を着ていると刺されやすくなるだとか――ぼくは、とくに黒の服ばかり好んで着ているわけでもないからこれもちがうかな?――、あと、ビールを飲んだあとは刺されやすくなるだとか――ん?! ビ、ビール…… ええと、実を言えばぼく、タックやボアン先輩に負けず劣らず(このたとえがわからないというかたは、すみませんが無視しちゃってください)大のビール党で、季節問わず、昼夜問わず(さすがに大学院にいるときは飲んでませんが)、毎日ぐびぐびと飲んでいます。それも結構な量を。 蚊に刺されやすいのは……だから、もしかしたらそれが原因なのかもね(^^;)。それが事実だとすると、上記で、夏という季節の利点に挙げていた「キンキンに冷えたビール」というのは、同時にまた、蚊に吸われやすいというマイナス点に拍車をかけるやっかいな要素でもある、と解釈できるわけで。これこそ、ビールは――先哲の言葉を借りて言えば――三界(さんがい)に首枷(くびかせ)というわけでしょうか(?)。 |
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Dream.5 ライト級グランプリ トーナメント決勝
2008.07.23 Wed 07:18
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おとといの夜、大阪城ホールで開催された『HEIWA DREAM.5 ライト級グランプリ 2008 決勝戦』を地上波放送で視聴。
メインのライト級グランプリに関しては、大いに興奮させられました。はい、おもしろかったです。何しろ青木真也、宇野薫、エディ・アルバレス、川尻達也、それからリザーブマッチから勝ち上がったヨアキム・ハンセン、以上の実力者たちでつむがれたトーナメントですからね、ふつうに考えるなら悪いわけがない。せっかく決勝にまで登りつめたアルバレスのドクターストップにより、急遽ハンセンがその代役として出場、しかもそれでみごとKO勝ちを収めタナボタ式とはいえ王者に輝いたというサプライズも、トーナメント方式ならではのギミック。そもそもハンセンは敗者復活の身ですが、それでも彼のたしかな実力をかんがみれば王者にふさわしいとも思うし。だから、これはこれでおもしろかった。 いっぽうワンマッチのほうはといえば、放送された試合を観たかぎりでは、残念ながらおしなべて肩透かしに終わったという感じ(ああ、でも所英男vs山崎剛は例外ですよ)。マーク・ハント〜。またもや何もできず無残に散った、柴田勝頼〜。それから、総合格闘技文字どおりの未経験で、しかも六日に山手線の電車内で盗撮男を捕まえた「お茶の間のヒーロー」という触れこみだけで試合前日に急遽出場が決まったという、アンディ・オロゴン〜(いやオロゴンの件に関しては、彼を批判するというよりもむしろ彼の出場を要請した運営陣を批判すべきかもしれませんが)。この際ですからあえて厳しいことを単刀直入に言いますが、彼らの試合は稚拙すぎた。これは視聴者にしてみたらたまったものじゃない。十歩ゆずって、ハントとオロゴンの場合は、これが初のDream出場ということで、今後の努力いかんによっては化ける可能性もあるかもしれないし、その点ではまだ救いがあるかもしれない。けれど、柴田はどうでしょう。彼、何戦かこのリングで試合をしてますが、正直まったく成長のきざしが見えないんですが……(ぼくの理解力不足かもしれませんけれど)。 笹原さんと、それから谷川さん、だから今後はもうちょっと話題性重視、お茶の間重視のそれよりも、むしろ格闘技そのもののファンへの思いやりのあるカード選考を検討してくださったらありがたいと思います。 |
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「させていただく」症候群
2008.07.23 Wed 00:10
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よく、ラジオ番組で、リスナーのハガキあるいはメールがミュージック・ナヴィゲーターによって紹介されるコーナー、ありますよね。そのコーナーで、ぼくは、ややもすればある違和感をいだいてしまうのです。というのも、リスナーのハガキあるいはメールの内容の出だし文句、これはだいたい
「こんにちは(あるいは、こんばんは)。いつも楽しく聴いております(あるいは拝聴しております)」 と、こうなるはずじゃないですか。 ところがそれを、こういうふうに書くかたがかなり目立つんです。 「こんにちは(あるいは、こんばんは)。いつも楽しく聴かせていただいております」 ラジオを聴くことは、とりたてて誰かの許可を得る必要はなく、つまりは当人の勝手でしかないことであり、したがって「〜させていただく」必要はありません。それなのに…… おそらくこれは、たとえば自己を主張しすぎると相手に嫌われるのではないか、とか、はっきりモノを言い過ぎると周りの「和」を乱すことになり、もしかしたらみなに嫌われ、ひいてはその集団から排斥されることになりはしないだろうか、などといった理由から、自分の主張のニュアンスを控えめに和らげることで高圧的ととられかねない可能性をあらかじめオミットしておくという意識(というより、これはたいてい無意識レヴェルでの感情の流れ、なんでしょうが)がはたらいたがゆえの、日本人特有とも言うべき対人心理における強迫観念的な病理の一種なんでしょう。 もっとも、書き言葉のレヴェルにおいてはこうやって冷静にふり返ることも比較的容易なこと。しかし話し言葉のレヴェルにおいては――かくいうぼく自身、ふり返ってみると、無意識のうちに「させていただく」症候群の病魔に汚染しているんじゃないかと思われるふしが、たびたびあります。だからこれは自戒の意味もこめて、気をつけるべきことだと考えます。 つづきを読む |
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Affliction
2008.07.21 Mon 05:17
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米国の新格闘技イベント「アフリクション」の旗揚げ戦「Affliction Banned」、メインイヴェントのPrideヘヴィ級王者ヒョードル・エメリヤーエンコ(正確には、フョードル・エメリヤーニェンコと記すべきでしょうが)と元UFCヘヴィ級王者ティム・シルヴィアとの一戦は、ヒョードルがシルヴィアを1R36秒、チョークスリーパーで秒殺一本勝ち。
うひゃあ、あいかわらず「ロシアン・ラスト・エンペラー」恐るべしですね。あのシルヴィアを秒殺って。いや、実際に試合を観ていないので(言わずもがなアフリクションは海外のマニアックな新格闘技イヴェント、したがって地上波で観られるわけないし。あるいはケーブルテレビかなんかでは観られる(た)のかな?)、地力でねじ伏せられてのこの結果なのか、もしくはシルヴィアの何らかのミスによるこの結果なのか、たしかなことは言えませんけど。いずれにせよ地力でヒョードルのほうが圧倒的に上だとは思っていたので、その意味では納得のいく結果。 ところでぼくのみる限り、というより、これはおそらく衆目の一致するところだと思いますが、総合格闘技界ではヒョードルがそれこそエンペラーのごとくヒエラルキーの頂点に君臨しており、現状においてはその構図を瓦解させるような存在というのがみえてきません。しいて言えば、一発の利点があるミルコ・クロコップくらいか。アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラも、ジョシュ・バーネットも、それからランディー・クートゥアも、それぞれトップ中のトップ・レヴェルの選手であることは否定しないけれど、それでもヒョードルの力にはとうてい及ばないと思います。 そして気がかりなのが、この現状が今後も続くとなると、もしかしたら、ヒョードルの、トップをきわめ尽くしたがゆえのモティヴェーションの低下、などといった問題を誘発することになりはしまいか。それからファン・サイドにしても、いつまでもこのように「ヒョードル絶対政権」が不変に続くとなると、遅かれ早かれマンネリズムを喚起されるようになり、総合格闘技の観賞から興味を失せていくことになりはしまいか。そして、それらを総合したうえでの総合格闘技界の衰退を招きはしないだろうか。 ……などとつい愚考してしまうんですが、さすがにこれはうがちすぎかな? ともかく、そういった理由から、あのヒョードルを脅かすような存在の出現を求みますね。 |
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オススメ商品
2008.07.20 Sun 21:55
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このFC2ブログには、自分が推薦する何らかの商品をピックアップできるツールがあります(おそらくFC2が運営するブログでなく、ほかの会社が運営するそれでもそのくらいの機能はあるのでしょうが)。なので、ぼくは、自分の大好きな本格ミステリーという、ジャンル内ジャンルのミステリー文学の作品において、とくに衝撃を受けたという作品をいくつかセレクトしてみました。
もっとも、厳密を期して、そういった作品を選んでいると、たぶん枚挙にいとまがなく、したがって、そこで紹介した作品は氷山の一角に過ぎないのだということをことわっておきます。とはいえ、そこで紹介している作品たちが有する性質や特色にはおおむねある共通項が確認でき、その意味では、自分好みの本格ミステリーとはどんなものであるかというのがおわかりいただけるのではないかと期待しています。 では、よろしければ、どうぞご覧ください(このブログの右側のほうに確認できるはずです)(いや、ぼくはブログのテンプレートをとかく変更する性癖があるため、そのときどきに自分が選択したテンプレートによってはかならずしも右側とはいえないかもしれませんが)。 |
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東野圭吾『仮面山荘殺人事件』読了
2008.07.16 Wed 11:21
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一九九八年発表の『秘密』でブレイクして以降、二〇〇六年上梓の『容疑者Xの献身』や同年にテレビ化された『白夜行』、それから翌年にテレビ化された『ガリレオ』(原作『探偵ガリレオ』と『予知夢』)で小説家としての人気を不動のものにした東野圭吾さんの『仮面山荘殺人事件』(一九九〇年)を読み終えました(初出は徳間書店のトクマ・ノベルスより)。帯の「あの名作『容疑者Xの献身』と並ぶ本格ミステリーの傑作 スカッとだまされてみませんか」という謳い文句に惹かれ、衝動買いしたのですが――なるほど。その大仰ととられかねない文句に、けれどなんら恥じることのない複雑に入り組んだ欺瞞的趣向が極まった、恐いくらいに計算しつくされた本格物の技巧小説に仕上がっている。 つづきを読む | ||
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知浦伸司『ブルーフォレスト』
2008.07.14 Mon 23:52
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知る人ぞ知る日本のヒーリング・ミュージック・アーティスト、現在は八ヶ岳をベースに活動されているという知浦伸司さんの『ブルーフォレスト』というアルバムを聴く。 寝る際に、電気を消してベッドに横になりながら聴くと――そこはもう桃源郷ならぬ「蒼」源郷。満喫したあとで、こうした自然の慈愛に満たされた音楽は、世俗の風が吹きすさぶ街にて身をゆだねざるをえず、さらにその街で喜怒哀楽の観念、とりわけ「怒」と「哀」の観念に感情が汚染されるのを忌避することのできないぼくたち社会の人間たちの大きな活力の源になると強く思いました。お勧め。 ところで――もしかしたら失礼にあたるかもしれないながら――こうした類の音楽のアルバムの解説は、なぜ、ややもすれば曖昧模糊とした抽象的な文章に終始するのか。いや、待てよ――そうか。もしかしたら、こうした音楽は、ある意味、即物的な論理だとか実際的な論理などといった、社会的現実を支配する論理から遠ざかることを目的につくられた音楽的ジャンルであるがゆえに、その捉えかたもいきおい概念的にならざるをえないのかも(<人のこと言えるか)。 | ||
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山本モナ
2008.07.12 Sat 19:35
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モナ自粛歓迎!フジHPに苦情1000件、……だそうで。
べつに、この件に関してはとくに言うことはないんですけど。山本さんにも、それから二岡選手にも、お二方とも泥酔していたらしいとはいえ、同情するつもりは毛頭ありませんし。あたりまえのことながら、泥酔していたからといって、そういった人たちがみな、近くにいい男がいたから、あるいはいい女がいたからといって不倫(あるいはそれに近しい行為)に走るなどということはないですから。やはり当人たちの理性、モラル、危機意識、意志などといった問題でしょう。 ところで、山本さんの事務所の先輩であるお笑い芸人のなべやかんさんが、くだんの問題を受け、「『セックス依存症なんです』って病気のせいにしちゃえば(マスコミが)叩けなくなる」などと激辛アドバイスを提言されたそうで。 芸人ならではの軽妙洒脱な冗談の一種なんでしょうが、もしジョークでなく、ほんとうにそう思っていると仮定したうえでこちらも老婆心ながらアドバイスを提言するとすれば、それはまったくもってナンセンスでしょう。だって、なべさんのようなメディアに影響力がある著名な芸能人のかたがそのようなかたちで公言しちゃうと、その行為自体によって病気のせいにできなくなるでしょう。それならいっそのこと、山本さん当人にのみ、直接そう提言すればいいと思います。ブログという不特定多数のかたがたが閲覧できる影響力の大きい媒体を利用して言うことではない――失礼ながら、そう思います。 ……ああ、でも、その提言はやっぱり冗談なんでしょうね。でも、だとすると――ほんとうに山本さんのことを思うのであれば――それってよく考えてみると不謹慎じゃないかなあ。 |
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K-1 World Max 2008
2008.07.08 Tue 01:40
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「K-1 World Max 2008 決勝トーナメントFinal 8」を地上波放送で視聴。
今回も堪能しました。魔裟斗とアンディ・サワーが勝ち上がるのは蓋然的にわかっていたことだけれど、ただ佐藤嘉洋選手がブアカーオにKO勝ちというのは正直想定外でした。いや、といって佐藤選手が実力的にブアカーオに劣ると言いたいわけではないんですが、それにしたってまさかこういう結末になるとはね。いずれにせよ、すばらしい。佐藤選手、おめでとうございます。次は、念願の魔裟斗戦ですね。どうかがんばってください。 あと、観ていて不快に思ったことが一点。 トーナメントのリザーブ権をかけた一戦、マイク・ザンビディスvsアルバート・クラウスの試合が終わって、いざ判定という場面で見られた、ジャッジ陣それぞれの判定が下される前に、選手が腕を堂々と、そして高々と上げて「自分が勝った!」というアピール。 失礼ながら、ぼくに言わせれば、あれは醜い。勝ち負けはあなたたちが決めるわけじゃない。あくまでも第三者たるジャッジ陣です。 |
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鮎川哲也『消えた奇術師』読了
2008.07.07 Mon 00:32
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日本の本格推理小説界が生んだ言わずと知れた巨匠・鮎川哲也。本書には、鮎川さんが生んだ二人の名探偵のうちの一人(言うまでもなくもう一人は鬼貫警部)、超人探偵・星影龍三の活躍譚をえがいた短篇が表題作もふくめ六篇収録。なかには、鮎川短篇最高傑作と名高い「赤い密室」をはじめ「白い密室」「青い密室」と、色をモティーフにした三つの密室物三部作もふくまれています。 つづきを読む | ||
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ヘイク・タルボット『絞首人の手伝い』読了
2008.07.03 Thu 23:56
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本書の巻末に付されている森英俊さんの解説によると、著者は、英国の密室研究家ロバート・エイディーが自身の不可能犯罪研究書のなかで「ジョン・ディクスン・カーに匹敵する唯一の密室長篇をものした作家」と絶賛したことで知られており、さらにまた、エドワード・D・ホックがアンソロジー『密室大集合』(一九八一年)を編成する際におこなったアンケートにて、タルボットの作品『魔の淵』(一九四四年)が、カーの『三つの棺』についで不可能犯罪物のベスト長篇の第二位に輝いたことで、コアな本格推理小説ファンのあいだでその名がいっきに広まることになったという、いわばシンデレラ・ボーイ的なミステリ作家(?)。本書『絞首人の手伝い』(一九四二年)は、そんな彼のデビュー作にあたりますが、実を言えば、長篇としては本書と先に触れた『魔の淵』を上梓しただけであり、しかもミステリの創作は本人にとってはあくまでも余技だったらしいというから驚き。何しろそれで、密室研究家をして偉大なるカーに唯一匹敵する密室長篇をものした作家と言わしめたり、『三つの棺』につぐ傑作といわれる作品をものしたんですからね。 つづきを読む | ||
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魔裟斗
2008.07.02 Wed 21:43
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今月七日に、「K-1 WORLD MAX 2008 World Championship Tournament -FINAL8-」においてドラゴ戦を控えている魔裟斗、さしあたって調子が上向きなごようす。
かねてから、その表層的な傲岸不遜のていというか、ビッグ・マウスぶりとは案に相違して、彼のプロとしての露骨なまでの危機意識を反映する真摯なスタンスには頭が下がるばかりでしたけど、今回も本戦に向けて仕上がりがばっちりなようで何より。それをみるにつけ、彼こそ本物のプロだと思うわけです。負けてから、実は自分はずっと調子が悪くて、この試合に向けてのきちんとした調整ができなかったんだ……と延々と減らず口をたたき(不慮の事故だった場合はともかく)、あまつさえそれがなかったら自分が勝ってたなどと婉曲的に、でも堂々と示そうとする厚顔無恥な者とは次元がちがうわけです。 期待してますよ。 ……だけど魔裟斗さん、その新しい髪形は……そりゃ奥さまからも非難を…… いや、失礼失礼。 |
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